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会社のDNAを変える方法

· Compliance

トップの姿勢

綺麗なこと(例えばコンプライアンス・ポリシーやCSRポリシー)を言うのは容易だ。しかしそれを会社のDNAにするのは極めて難しい。「インテグリティーに基づいて業績をあげる」というカルチャーを作らない限り、それがDNAになることはない。全てはトップの姿勢から始まる。大事なのは、CEOがどう考えているかではなくて、CEOが信じていることだと従業員が考えるものは何か、なのだ。従業員は、イントラネットに掲載されるCEOからのメッセージだけではなくて、CEOの行動を見て判断をする。CEOと各ビジネスのシニアリーダー達は率先垂範しなければならない。リーダー達の行動そのものこそが、最高のメッセージであり、それを、しばしば遠く離れた現場にいる、何らかの異変(インテグリティ上の懸念)に最初に気付くであろう人に至るまで、届けていくことが必要なのだ。

報復の心配なく懸念を表明できるカルチャー

もし従業員が報復の恐れなく懸念を表明することができれば、それがのちに大問題に発展する遥か前の段階で調査し軌道修正をするチャンスが得られる。これが、会社のインテグリティを維持する最善の方法である。「報復の恐れなく懸念を表明できるような職場のカルチャーをつくる」というのは絶対にしなければならないことの一つである。第三者である専門のサービスプロバイダーによって運営される従業員のホットラインシステム(望むなら匿名での通報を認める)をグローバルに用いることもまた、絶対に必要なことの一つである。誠意を持って懸念を表明した者に対する報復をしようとした従業員、管理職、そして役員(CEOを含む)には、会社を辞めてもらわなければならない。そのような人物はカルチャーを破壊してしまうからだ。

従業員100人あたり年間1.4件の報告が寄せられることを念頭に置かなければならない。この数字は、約13,000社の中央値だ( 2018 Ethics & Compliance Hotline and Incident Management Benchmark Report (navexglobal.com)を参照)。もしこの数値が(従業員100人あたり)年間0.3未満なら、分布図の中央の80%の外にある会社だ、ということだ。不安にならなければならない。従業員の声を聞けていない、つまり、問題の芽の存在を知ることができず、重大な問題になって初めて知ることができるからだ。完璧な組織はない。誰でもミスをする。違いは、今、軌道修正するのか、それとも問題が大きくなるまで待つのか、である。

必要な人的物的資源

上述のNAVEXの報告書によると、従業員100人あたり年間1.4件の報告が寄せられ、約7割が人事系の案件(例えば雇用差別やハラスメント)であり。調査をした結果確かにコンプライアンス違反だと認定される率は約45%である。それだけの量のインテグリティ違反に関する報告を受け、調査し、必要があれば再発防止措置を施し、関係者を処分し、報告者にフィードバックをし、案件を閉じる、という作業を合理的な期間(例えば30日)以内に行うことを想像してほしい。もしそれをしなければ、報告者はこの制度に対する信頼をしなくなり、何も言わなくなるか、それとも会社の外(例えばSNSやメディア)に懸念を表明することになる。調査は、注意深く定められた調査ポリシーと手続に従って実施しなければならない。そうでなければ、調査結果は偏っているしまだ何か隠しているかもしれない、と外部からは見られてしまう。案件の多くの部分は人事担当者が調査を担当できるが、調査担当者は調査に関する研修を受けなければらない。重大な案件(例えば賄賂や不正会計)については外部の法律事務所等に依頼することが必要になる。

対象を絞った、効果的なコミュニケーションやトレーニング

近年、日本の著名企業が立て続けに重大なコンプライアンス違反を犯している。どの会社も、よくできたコンプライアンス規程があったはずだし、従業員研修についてもきちんと行なっていた記録がおろらくはあるだろう。欠けていたのは、上述(トップの姿勢、カルチャー、リソース)のいずれかまたは全部である。また、個々の職責に内在するリスク要因に応じて対象者を絞った特別の研修やコミュニケーションが必要だ。コンピュータ上で行う研修からは多くを学ぶことができない。できるだけ早く終了させようとして早くクリックすることに集中しがちだからだ。面と向かって行う、双方向参加型の、楽しいワークショップが望ましい。コンプライアンスに関するコミュニケーションは、漫画やビデオ等を用いた「クリエイティブ」なものが望ましい。現場に近い従業員から始める、双方向のボトムアップセッションは、潜在するリスクの発見と研修の二つを同時に行うことができる良い方法である。これらの観点からのとりくみを示す架空の企業の例として、「とある企業のコンプライアンス特設サイト」を参照されたい。

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